待雪の花 ～snow drop～

■物語 ～Story～
聖澤和志は病弱な妹・美結と二人だけで四畳半に移り住むことになった。
二人を育てた母親が亡くなり、葬式に現れた謎の男を頼るしかなかったのだ。
男に言われるまま引っ越した先は、もはや崩れそうなアパートの狭い四畳半。
待っているのは借金に追われる極貧生活。

和志は学校を辞めて働く決意をし、兄としてせめて妹だけは幸せにしようと誓う。
だが狭い四畳半で、眠るときには妹と抱き合い、
薄い壁の向こうからは昼夜問わず喘ぎ声が聞こえてくる――
そんな生活が続くうち、それまで押し隠してきたはずの
妹への背徳的な欲望が抑えきれなくなっていく。

その状況から逃れるように、年上の隣人である神崎翔子、
アルバイト先の市ヶ谷瞳、妹の親友である藤堂仁奈と、
やはり背徳的な肉体関係を結んでいく。
こんなことをしてはいけない……そう思いながらも、欲望を止めることができない。
妹への想いを消すこともできない。

むしろ、いけないと思う程に強くなっていく。
このままどろどろとした背徳の関係に堕ちていってしまうのだろうか。

■登場人物 ～Character～
【病弱ながらも兄を想う妹】
●聖澤 美結 （CV：奥山歩）
主人公・和志の妹。
母子家庭で育ち、ずっと兄にべったりだったため、和志を普通の兄以上に信頼している。
そんな環境で育ったので、人見知りで、自分の気持ちを伝えるのが下手。
自分が病弱なことで母親にも兄にも負担をかけてきたことを心苦しく思っている。
病弱でほとんど学校に行けていないため友人はほとんどいない。
時々プリントを届けてくれる仁奈だけが唯一の友人と言っていい。
実は和志を兄以上に想っているようだが、和志は気がついていない。

「私、お兄ちゃんさえいれば、どこだって平気だからね……」

【莫大な借金を抱えDVを受ける隣人】
●神崎 翔子 （CV：奥川久美子）
兄妹が引っ越してきたアパートで暮らす唯一の隣人。
オドオドしていることが多く、被虐的な性格。
多大な借金を抱えているらしい。
よく出入りしている金子竜次に金を貢がされ、
しばしば暴力を振るわれ、性奴隷のように扱われている。
だが本人はその状況から逃げようとは思っていないように見える。
和志が自己紹介をしたとき、驚いた顔をするが何か理由があるのだろうか？

「いいの、分かってるから。あの人には私が必要だから」

【バイト仲間。主人公の理解者】
●市ヶ谷 瞳 （CV：藤井舞）
和志が紹介されたコンビニエンスストアのアルバイト先の先輩。
明るく優しい性格だが、ときどき意味深なことを言う。
学生時代は運動部だったらしく、とにかくよく働き、
アルバイト先をほぼ一人で切り盛りしている。
素直で働き者の和志に、好意的に接してくれる。
兄妹の状況を理解し、和志が妹と一緒にいられるように協力してくれる。

「苦労してきたんだね。お姉さんが優しくしてあげようか」

【成績優秀な妹のクラスメイト】
●藤堂 仁奈 （CV：桜川未央）
学校を休む美結を心配してしばしば家に来てくれる唯一の友人。
たまに素っ気ない言動を見せるが真面目で責任感の強い性格で、成績は優秀。
家もそれなりに金持ちらしい。
兄妹の激貧ぶりに最初は戸惑いも見せるが、何度も通ってくれるようになる。

「……お兄さんは、学校には戻らないんですか？」

●聖澤 和志
主人公。母子家庭で育った。
母親が亡くなったため学校を中退して妹・美結を育てる決意をした。
病弱な妹を立派に育てて嫁に出すのが兄としての使命だと感じているが…
親類からの援助を拒絶して謎の男を頼ったのにはちゃんとした理由もあったが、
内心は妹を誰にも渡したくないという気持ちが心の底にあったからでもある。
アルバイトは初めてだが、すぐに仕事を覚える。責任感が強い働き者。

●金子 竜次
母親の葬式に現れた謎の男。
行く当てのない兄妹に住む場所や働き場所を用意してくれた。
だが紹介されたアパートは薄汚い四畳半で、しかも同じアパートに住む神崎翔子とは
以前から肉体関係があり、昼夜問わずやってきて罵声を浴びせたり、レイプをしたりする。
おまけに隙あらば兄妹を利用し、金を稼ごうとする。

●佐戸渡 勲
兄妹の住む町で診療所をやっていて、妹を診てくれる唯一の医者。
診療所は訳ありの患者が来るような、いわばヤミ医者。
かつては大病院に勤める有能な医者だったらしい。
美結は、この医者に診てもらうことを嫌がる。