海空のフラグメンツ

■□■ストーリー■□■
幼い頃に、約束を交わした少女がいる。
夏の決まった時期にだけ島を訪れる彼女は、約束だけを残して消えてしまった。

「ねぇ、いつか大きくなったらさ」
「いっしょの学園かよおうよ」
「そしたらいつでも2人……いっしょにいられるね」

子ども同士のたあいない約束。
それから年月も経ち、思い出も約束もゆっくりと風化していく。
しかし、たった一枚の写真が状況を変えた。
とある学園の入学案内、そのしおりに印刷された一ページ。
生徒会の会長を務めるその人の姿は、過去に仕舞った思い出を現在の色へと塗り変える。
かくして俺――《中上神》は約束の学園への転入を決意したのだった。

新たな学園生活への期待を胸に、迎えた入学式の当日。
そこで俺を待っていたのは何人かの個性的な美少女たちと、そしてあろうことか。

突然の『閉校宣言』だった――。

閉校までのタイムリミットはわずか数ヶ月。
失意の底に沈み、折れそうになる心を奮い立たせて。
しかし俺は不死鳥のごとく立ち上がる！
すべてはそう、一度は夢見た《バラ色の学園生活》 それを現実のものとせんがために！

そのための第一歩として、選んだ舞台は《生徒会》。
選りすぐりの美少女ばかりで構成されるそこへ入会することこそ、我が夢への最短経路とみつけたり！
艱難辛苦に紆余曲折。振り返ればいろいろあったけれど。
念願叶って晴れて生徒会の一員に……加わることができたと思ったら。

そこで明らかになる真実。
そして新たな騒動の火種に巻き込まれて――！？

果たして俺は閉校までの短い期間、悔いのない学園生活を送ることがきるのだろうか。

■□■登場キャラクター■□■
【気難しい高嶺の花】
●紅月 遥　（CV：青山ゆかり）
学園の生徒会長を務める、全校生徒の顔的存在。
かつては人気のジュニアアイドルであったと噂され、周りからは常に一目置かれている。
才色兼備の秀才で、学業も運動も常に成績トップを譲らない。
そんな彼女は学園中の憧れの的であり、同時に高嶺の花でもある。
性格は真面目で不器用、少し意地っ張りなところもある。
その人気とは裏腹に、他人と馴染まず一人でいることの方が多い。
だからといってお高くとまっているわけでも、愛想がないわけでもなく。
よくいえば誰にでも平等。わるくいえば誰のことも特別視しない。
そんな彼女の振る舞いは、周りに対して壁をつくっているようにも見えるが…？
学生寮から通う、俗にいう《外部生》。
どうして彩京学園を志望したのか、その動機は明らかにしていない。

【可憐でおしとやかな先輩】
●西ノ宮 悠里　（CV：羽高なる）
生徒会では副会長を務める、育ちのよいお嬢様。三年生。
誰に対しても人当たりがよく、物腰もふわりとやわらかで上品。
とりわけ男子人気は会長を上回るほどで、名実共に学園ツートップの一人として君臨している。
細かいことに囚われず、おおからな性格の持ち主。
大抵のことはそつなく器用にこなして、それを鼻にかけたところも一切ない。
そんな彼女の振る舞いは「聖人かあるいは天女か」と噂されるほどに一部で熱狂的な信奉者を生んでいる。
それでいてたまに抜けているところがあったりするから、周りも彼女のことを放っておけない。
西ノ宮家は島随一の名家として知られ、彼女はそのご息女。
しかし本人は自らの恵まれた境遇を、あまり快くは思っていないらしい。

【正義感の強いしっかり者】
●黒木 樹雨　（CV：成瀬未亜）
生徒会に所属する二年生。役職は書記。
上級生の二人と比較して華やかさには若干劣るも、凛として毅然を貫くその姿勢は同性からもファンが多い。
生徒会においては上級生の二人を立てながらも、その存在感を余すところなく発揮している。
ふだんはあまり口数も多くなく、クールで異彩を放った存在。
口でいうよりも先ず行動のタイプで、気がつけば授業中にふらっといなくなることも。
曲がったことが嫌いで、弱きを守り、強きを挫く。
しかしその内面は意外と繊細らしく、押しには弱い一面も。
島の人間で、それだけ故郷に対する想いも強い。
今回の閉校騒動にも、彼女なりの思うところはありそうだ。

【ほんわかてんねん癒し系】
●姉川 椎　（CV：金松由花）
生徒会に所属する二年生。役職は会計。
他の三人とは違って目立つ存在でこそないものの、その控えめで愛らしい姿に密かなファンは多い。
役員としての活動には消極的だが、いるだけで場が和む生徒会のマスコット的存在。
片手にはいつも相棒のパペットを身につけており、会話もなぜか腹話術の形式。
不思議ちゃんのようにも一見映るが、でもなんとなく許せてしまう。
人見知りな性格で、いつもぼーっとしている。どちらかといえば物静か。
子どもっぽい喋り口調とにっこり笑顔がチャームポイント。
島に唯一現存する神社の神主、その娘。
時間のあるときは自ら進んで巫女装束に身を包み、家の手伝いをしている。

【明るく人懐っこい後輩】
●睦月 ミソラ　（CV：姫川あいり）
学園に入学してきたばかりの一年生。
その美少女ぶりは在校生の注目をいち早く集め、次期生徒会候補の筆頭に挙げられたほど。
きっと将来的には生徒会の役員として迎え入れられるに違いない。
育ちがよいのか、ふだんから丁寧な口調で人と接する。
しかしそれでいて堅苦しい印象は一切与えず、むしろ人懐っこいくらい。
明るく好奇心が旺盛で、いつも何かにひたむき。陸上部への入部を検討中。
ふだんの言動に飾ったところがなく、男女を問わず誰とでも仲よくなれるタイプ。
島の外の人間で、学生寮に部屋を借りている。
主人公やその幼馴染である『のの』とは特に仲がよく、ふだんから一緒にいることが多い。

【学園に編入してきた主人公】
●中上 神
物語の主人公。
編入生という例外的な扱いなため、新入生にして二年生。
建前というやつが苦手で、よくもわるくも直球勝負。
「かわいい女の子と仲よくなりたい」をモットーに新しい学園生活へ期待を寄せる。
しかし過去に恋愛経験があるわけでもなく、本当のところは初心で奥手な純情少年。

【情報通で頼れる悪友】
●竜造寺 信彦　（CV：天然才）
主人公の友人。
一目あったときから惹かれ合い、互いを友と認め合う。
幅広い人脈の持ち主で、校内のあらゆる情報に精通している。
でもふだんから悪ノリがすぎるせいか友だちは少ない…。
主人公の恋路を全力でサポートしてくれる、とてもいいヤツ。

【キザで目立ちたがり屋な三年生】
●清澄 白河　（CV：陸奥出流）
学園に通う三年生。
目立ちたがりの自分大好きな先輩。
難攻不落と名高い生徒会長のことを狙っているらしい。
島の出身者であり、二年の樹雨や椎とは親交が深い。
（同族嫌悪ゆえか）主人公とは事あるごとに反目し合う。

【主人公に想いをよせる幼なじみ】
●下上 のの　（CV：春日アン）
学園に入学してきたばかりの一年生。
主人公とは幼なじみの仲であり、互いにとても気安い関係。
自分のことを「ボク」と呼び、その言動にはやや子どもっぽさも伺える。
明るく人懐っこいようにみえて、妙なところで臆病な性格。
主人公のことが好きらしいが、いつもすげなくされてばかり。
でもめげない。

【几帳面な性格の女生徒】
●小野 妹子　（CV：長瀬ゆずは）
学園に通う三年生。水泳部に所属。
いつもきっちりしていないと気が済まない性格。
自分に厳しく、他人にも同じくらい厳しい。なのであまり友だちはいない…。
両親が揃って西ノ宮家に仕える身の上。
そのこともあって悠里のことを「お嬢さま」と呼び、なにかと世話を焼きたがる。

【謎多き学園の保険医】
●百瀬 千郷　（CV：中野志乃）
学園の保健医と寮長を務める女性。
年齢不詳でその過去や、出自さえ不明で謎の多い女性。
相手を問わず物怖じしない、尊大な態度が特徴。
なんとなく主人公とは馬が合うのか、すぐに打ち解け仲よくなる。
綺麗なオネーサン的ポジションでありながら、それを上手く活かせていないことを悩んでいる。

【物腰やわらかな教育実習生】
●三杉 勇太郎　（CV：鬼龍院アキラ）
教育実習生として赴任してきた大学生。
おっとりした口調、やわらかな物腰。
親しみやすく落ち着いた人柄に魅了される女生徒も少なくない。
噂によればよいところの御曹司らしく、今回の教育実習にもなにか別の意図があるとか？