■作品内容
ひととあやかしが共に暮らすことができる、最後の聖域。
四国、高知の山奥にある隠れ里。茂伸(ものべの)――
あなたと、あなたの妻たる家守のあやかし、あかしゃぐまの「すみ」とは、次の春に迎える学園の少等部への入学を今から心待ちにする愛娘「えみ」を落ち着かせるのにてんやわんやの日々を送っています。
そんな夫妻に気の効く隣人がプレゼントしてくれたのは、夫婦水入らずで丸一日を過ごせる時間。
思いっきりに甘い時間を……という欲望よりも、娘可愛さが先にたち、あなたとすみはいそいそと、愛娘の入園準備の仕度を早くもはじめます。
ミシンがけをして雑巾を、袋物を縫い、蒸気火熨斗――すちいむあいろん――で丁寧にシワを伸ばして。
えみが泥まみれにしたズック靴を、ブラシでごしごし洗い落として。
……夫婦で過ごす穏やかな時間の中の、娘への愛情によって生まれる音たちが奏でる、やさしいハーモニー。
それはきっと、あなたを深く癒やしてそうして、穏やかな眠りへと導いてくれることでしょう。
■あやかし紹介 ~ すみ ~
「そう考えると……いつの間に、じゃな。
この家も、随分にぎやかになったものじゃ。
お主が戻り、夏葉が戻り。
えみを授かり、とおこまでもが家族となって――
いまが、一番にぎやかなのか、それともこの先もっと、にぎやかなこととなるのか。わらわには想像さえもつかぬ、ことじゃが……
どのような未来にこの先なろうとも――の?」
「わらわは常に、変わらずお主とともにある」
……あなたを守るために呼ばわれ、
いつしかあなたを深く愛し、あなたと深く愛し合うようになった、
あなたのかけがえの無い妻――それが、すみという家守妖怪です。
愛し合い慈しみあう二人はやがて、愛娘――えみを授かります。
元気いっぱいなえみに振り回される日々はにぎやかな笑いにみちみちて……けれども、ひどく疲れるものです。
そんな日々の間にふとプレゼントされた「夫婦水入らずの時間」
その時間さえ、えみのためにといそいそ使ってしまうすみと自身の姿にきっと「母」と言葉を思い。そして同時に「父」となった自らを、少しこそばゆく、けれど誇らしく感じてしまうことでしょう。
父としての自分を感じつつ「すみおかあさん」に甘やかしてももらえる極上の癒やしとやすらぎの時間を――どうぞ、ゆりかごに乗った気持ちでふんわりゆったり、お楽しみいただけましたら幸いです。
なお、すみについて、あかしゃぐまについての詳細は、
「あやかしマニアックス・すみ」
https://ci-en.jp/creator/922/article/70105
でもご紹介させていただいております。
■トラックリスト
Track1:すみの自己紹介と、この音源の楽しみ方
Track2 仕度の初めは縫い物じゃ (ASMRパート)ミシンがけ、裁ちばさみ
Track3 蒸気火熨斗も書けねばならぬの(ASMRパート)すちいむあいろん、霧吹き
Track4 運動靴も洗おうの(ASMRパート)ズック靴洗い、ドライブラシ、バケツの水、ウエットブラシ、棒石鹸塗り
Track5 すみの耳もみと耳かきと(右耳耳かきパート)耳もみ、耳穴指入れ、耳かき
Track6 すみの耳もみと耳かきと(左耳耳かきパート)耳もみ、耳穴指入れ、耳かき
Track7 すみとおねんね(安眠パート)ウィスパー、安眠導入
Track8 すみの寝息ループ(ループパート)寝息ループ
Track9 おまけコーナー、Q&A (ボーナスパート)佐倉江美さんによるフリートークQ&A