■プロローグ
季節は初春。
その宿は人里離れた田舎町……秘境と言っていいほどの山間にあった。
春という名前だが、まだ雪は降り積もりその訪れの欠片も感じさせない季節。
村は静かに雪に覆われ、だがしかし人は春を迎えようと準備をしていた。
宿につくと、一人の女性が慌ただしく働いていた。
【東】
「はいはーい。郵便ですかー? 荷物はいつも通り、玄関に置いといて貰えると助かりますがー……ん? んん? んんん?」
【東】
「あら……あらあら。こりゃ、旦那様じゃあありませんか。え、一体どうしました? 今日はご予約されて……ませんよね? ね?」
■作品構成
・昼の部
お宿に訪れたあなた。東さんはどうやらひな祭りの準備中らしく、忙しない様子。
作業の邪魔をせず、彼女の作業をぼんやりと眺めながら静かな時間を過ごします。
古時計の音、心地の良い声と作業音。一段落したあと、完成したひな壇を眺めながらの耳かき。
・夜の部
こたつで蜜柑。のんびりとしつつ、ですが雰囲気は夜として大人な感じに。
手についた蜜柑の汁を、指ごとゆったりと……流れはそのまま、しっぽりと。
■作品ポイント
・初春の節句……つまりはひな祭り。女の子の祭りなので、あなたの知らない蘊蓄や気持ちなども聞けてなにかと面白いかもしれません。
・作業を眺める……誰かがただ作業する様をぼんやり眺めたり聞いたり。会話は独り言、ですけども心地よい音であり眠くなるかも…しれません。
・全てバイノーラル……全篇を通じてバイノーラルで収録しております。目を瞑り、布団に横になり、音に集中して頂き、この世界に是非没入してください。
■出演
東(あずま):香山いちご様
■制作
サークル:うたかた
シナリオ,編集:尼子直次
イラスト:池谷神楽
■同人音声サークル「うたかた」Twitter
https://twitter.com/utakata2017