巫女ヒルデは得意の薬草術で病や怪我に苦しむ者たちを世話していた。
彼女には不思議な力があった。
未来の幻視を見ることができたのだ。

戦場で深手の傷を負い、療養のため王都に一時帰還していた騎士スヴェンはそこで献身的に働くヒルデに恋をする。
ヒルデもまた同じだった。
スヴェンはヒルデに求婚するも、身分違いを理由にヒルデは泣いて身を引く。

傷心のまま戦場に戻るスヴェンの無事を祈りながら、ヒルデは見てしまうのだった。
戦場で矢に射られて死ぬスヴェンの幻視を…


「 好きな男が死ぬ未来を見たんだろう 」

スヴェンの死の幻視を見た恐怖に震えるヒルデに、蛇の悪魔アロイスは語りかけ、取引をもちかける。
魔力でスヴェンを守ってやる代わりに悪魔が要求したのは、ヒルデのその若く美しい肉体だった。

愛する騎士を守るために、ヒルデは悪魔との契約を決心する…

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【内容・構成】

・本文　108ページ　+α　
・後書き　1ページ
・既刊紹介　1ページ

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シリアスなダーク中世ファンタジーを目指しました。
本作は前後編のうちの前編です。