あなたと北園伊吹（きたぞの　いぶき）は幼馴染で腐れ縁。
性別の違いも何のその、冗談を言い合いケンカし合い大人になっても定期的に飲みに誘い合う仲だ。
その仲の良さは周知の事実であり、
付き合いの浅い人間からはまず「付き合っているの？」と聞かれる程。
そういう時、伊吹は決まって笑いながら冗談を言ってくる。

「こいつが告白ＯＫしてくれたら今すぐ部屋連れてって泣くまで抱き潰すのに」

普段はボーっとしていて何を考えているかイマイチ分からない伊吹。
あなたが伊吹の発言を笑い飛ばしてもヘラヘラ笑っているので、今までは本当に冗談だと思っていた。
――そう、今までは。

そして今日。
居酒屋でベロベロに酔いながら彼氏にフラれた愚痴をこぼすあなたに、
伊吹はまた『いつもの冗談』を投げかけて来る。

（まぁ、そろそろ一回付き合ってみても良いのかな）

そう思ったあなたが伊吹の告白を前向きに受け入れると、
急に伊吹の様子が変わり……

「これ……最終確認な？　本当に俺と付き合うって事で良いんだよな？」
「次はぁ……俺がおまえをどう思ってるのか、ちゃんと知ってもらうターンな」
「『わからせ』るよ？　おまえはもう、俺の恋人になったんだって……♡」

淡々とした声とは対照に容赦のない手付き。
ダルゆるな表面に隠されたずっしりな愛情を、
トんじゃいそうになるまで『わからせ』られるおはなし。