あらすじ

温厚なようでいて、少し人とズレた感性をしているソフィア。
そんな彼女は、今日も魔法薬の調合に失敗してドカンと爆発を起こす。
いつものように父にキツく叱られ、それでいていつもとは違って呼び出された書斎で、「若き公爵に嫁ぐように」と厳命されてしまう。
一度はショックを受けたものの婚約者との関わりは無く、本当に結婚なんてするのかしらね～と悠長に考えながら、変わらずドカンとやること半年。
流れたとばかり思っていた縁談はきちんと実を結んでおり、ソフィアは婚家に引っ越すことになった。

そうして長旅の末。
大豪邸である公爵邸に辿り着いたソフィアは、手厚い出迎えと歓迎を受けた。
しかし婚約者であるウォーレスは、無表情で正面を向いたまま、ピクリとも動かない。喋らない。一向にこっちを見ない。
すると前公爵――つまりは義理の父となる人から、ソフィアは衝撃の事実を明かされた。
どうやら彼は、女性を前にするととてつもなく緊張してしまう、照れ屋さんらしい。

　――なんて可愛らしいのっ！ 

気の弱い父と兄が大好きなソフィアは、婚約者にも大変ときめいた。
自分より六歳年上だと言うが、それが尚更可愛らしい。
そこでソフィアは、決意した。
ちょっとずつ距離をつめて、ウォーレス様と仲良くなろうと。
しかしウォーレスは、照れはするもののソフィアを嫌がる素振りを見せず――つい押せ押せで迫ってしまう彼女に、たじたじになるばかりだ。

そうしてソフィアが自覚の無い荒療治でウォーレスの照れ屋を着実に改善させていく中。
ウォーレスからソフィアへの執着と愛が、どんどんと重くなっていって――?


　主な登場人物

○ウォーレス
　二十八歳。若き公爵。
　黒いロングヘアーと赤い瞳。
　非常に整った容姿をしているが、基本的に無表情。
　クールな外見に反して中身はシャイな純情童貞。
　女性に免疫無し。(女性使用人とも話せない)

○ソフィア
　二十二歳。伯爵令嬢。
　羊の皮を被った肝っ玉娘。
　マイペースでおっとりとした性格。
　ただしちょっと人よりズレている。


イラスト:米丸。様
タイトルデザイン:ルクラ

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