いつものように、一人で暮らすアパートの玄関ドアを開く。
室内に入ると「おかえり」と微笑む彼は・・・誰?

意識が遠のく瞬間、彼に腕に抱かれたのが感じられた。

どうして、選ばれたのが私だったのか。
どうしたら、ここから逃げ出せるのか。

突然手に入れた何一つ不自由のない快適な生活で、
私のことを恋人のように甘やかすこの男に、麻痺した心が警鐘を鳴らす。
逃げなくては何処かに売られてしまう……。

彼は、イタリアの血が混ざっているという。
中国でも最大手のマフィアグループへ加入しているのだと。

そんな彼の担当は、人身売買。
私のことを売り飛ばすはずなのに、甘やかし愛を囁くのは何故?

「僕の可愛い子犬で居続けるか、今すぐここで死ぬかだ。」