九つの魂をただひたすら、貴方の為だけに (後編)
- 1.愛おしい貴方は、私を覚えていてくれただろうか 04:56
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九つの魂をただひたすら、貴方の為だけに (後編)
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2026年10月3日公開
彼女の魂は、エルフの最後に伴するには足りていない。
獣としては至極当然に、使い魔としても明らかで、獣人となってもなお不足する。
それを彼女は知っていた。
故にこそ、彼女は「足る」己になりたくて、主人の元を離れる事を決意する。
七度目、一人で研鑽するもこれでは間に合わぬと無茶をして早々に命を失い。
八度目、己をいっそうに鍛える為に研究機関に身を寄せ、最低限に満足できる程度に整え。
そうして、最後。九度目。
長命種、エルフ族の主人を看取れる己になったと、彼のもとに戻った彼女を、……主人は酷く苦しそうな顔で出迎えた。
「お前と、笑って死を迎えたいだけなのです。シピ」
「可愛い私の猫」
「あいしてますよ」
きっと、嗚呼きっと。
己は何かを間違えた。猫は、それだけを理解して、主人との生がまた始まる。
千年の時、彼女を待って待って待ち侘びて、もはや年老いた己だと知ってもなお彼女を離せないイウェルと、主人の不安を理解できていないながらも彼に寄り添い、共に生ききりたい彼女の、最後の人生。
獣としては至極当然に、使い魔としても明らかで、獣人となってもなお不足する。
それを彼女は知っていた。
故にこそ、彼女は「足る」己になりたくて、主人の元を離れる事を決意する。
七度目、一人で研鑽するもこれでは間に合わぬと無茶をして早々に命を失い。
八度目、己をいっそうに鍛える為に研究機関に身を寄せ、最低限に満足できる程度に整え。
そうして、最後。九度目。
長命種、エルフ族の主人を看取れる己になったと、彼のもとに戻った彼女を、……主人は酷く苦しそうな顔で出迎えた。
「お前と、笑って死を迎えたいだけなのです。シピ」
「可愛い私の猫」
「あいしてますよ」
きっと、嗚呼きっと。
己は何かを間違えた。猫は、それだけを理解して、主人との生がまた始まる。
千年の時、彼女を待って待って待ち侘びて、もはや年老いた己だと知ってもなお彼女を離せないイウェルと、主人の不安を理解できていないながらも彼に寄り添い、共に生ききりたい彼女の、最後の人生。
