Worlds and World's end -ワールズ・エンド・ワールズエンド-
■ストーリー 変わらないものと、ずっとそう……思っていた。 毎朝、似たような時間に似たような場所を往復して。 試験の結果や、クラスの中の人間関係、気になるあの子のことを気にしてみたりとか。 たとえば、そんな日常。代わり映えしない学園生活。 <八代拓海>は、日常が約束されたものだと信じていた。 町を騒がす通り魔事件。終末を謳った宗教法人。 世間の関心は節操なく、瞬く内に流れ去る。 何故ならそれらは結局、他人事でしかないのだと……誰もがそう思い込んでいるから。 <和泉宗一>は、自分もまたその例外でないと信じていた。 世界の中心からは遠く隔たる、とある地方の片田舎。 一度は捨てたつもりで、そこを出てきたはずなのに。 けれどしがらみだけは断ち切れず、今もこうして残り続ける。 <三村祐二>は、帰るべき場所のあることを信じていた。 『退屈な』日常——。 『終わらない』日常——。 そこにあるのは、変わらない明日への絶対的な信頼だ。 けれど、それがもし仮に……単なる独り善がりの、盲信に過ぎないのだとしたら? 変わらぬ明日の訪れを、信じられなくなってくる君に。 誰かはひょっとすると、こんなふうに答えるのかもしれない。 「大丈夫、安心して。明けない夜がないように、朝は必ず訪れるの」 そして、きっとそれは守られるだろう。 世界が未だ、約束された日常の中に留まり続けている、その限りは——。 ■登場キャラクター 【ほんわか天然癒し系】 ●塚原 麻衣子 (CV:松田理沙) 学園に通う二年生。 一度は地元を離れた身だが、家庭の事情で再び生家へ戻ってくることに。 幼馴染みである八代や和泉との再会を喜び、現在は八代と同じ文芸部に所属。 友人にも恵まれ、新しい生活にも次第に慣れていきつつある。 性格はマイペースなのんびり屋で、飾ったところのない性格。 天然なのも度を過ぎて、時には空気の読めない振る舞いをしてしまうことも。 疎遠になってしまった八代と和泉との仲を気に病み、 もう一度以前のような関係に戻ってほしいと願っている。 「や、久しぶり。これからまた、よろしくね」 【強がり我侭お嬢様】 ●宮川 都 (CV:小倉結衣) 学園に通う二年生。 都会育ちのお嬢様だが、故あって数年前にこの地へ移り住んできた。 家が近くの和泉とは家族単位での付き合いがあり、当人たちも当然のように親しい間柄。 しかし、他には友人と呼べる人間も少なく、和泉の存在に依存しがちなところがある。 性格は明るく賑やかだが、一方で臆病。 感情をそのままストレートに表すタイプで、よく言えば素直で実直、悪く言えば自分本位な直情型。 教団「終末の声」の熱心な信徒である両親のことを、あまり快くは思っていない。 「そういうソーイチの優しいとこ、わたし好きだな」 【コミュニケーション下手な少女】 ●矢間 文歌 (CV:五行なずな) 学園に通う二年生。 同校の教師である矢間一を父に持ち、校内でも一目置かれている存在。 しかし、本人は目立つことを嫌って一人を好み、特定のグループには属さない。 その為か、周りの人間からは気難しい人間として距離を置かれている。 実際のところは引っ込み思案な性格で、かなりの口下手。 周りと合わせることが苦手な為に、極力他人と関わりを持たずに過ごしてきた。 そんな彼女だが、とある出来事をきっかけに、同学年の和泉らと深い関わりを持つようになっていく。 「夜の空気が、好きだから。そういう理由じゃ、ダメ?」 【自由奔放な自称記憶喪失】 ●安藤 佳澄 (CV:かわしまりの) バイクに乗った謎の少女。 記憶喪失を自称しており、その身元詳細については一切が不明。 しかし、そのことに対して本人に悲観したところはあまり見られず。 淡々と現実を受け入れ、泰然自若を貫く彼女の姿勢はどこかしら、人生を達観しているようですらある。 細かい物事に囚われぬ、サバサバとした性格の持ち主。 どことなく浮き世離れしたところのある反面、遠慮がちで押しには弱い一面も。 記憶探しの旅の折、偶然に出会った三村らと行動を共にしていく。 「実はね、わたし……記憶喪失みたいなんだ」 【内気で小さな頑張り屋】 ●八代 鈴 (CV:倉田まりや) 八代拓海の妹。 都内の学校に通う為、女子寮で一人暮らしをしている。 幼い頃からの病気持ちで、一人暮らしをしているのもその為。 病状は重く、今のところ回復の見通しは立っていない。 しかし、当人はそのことに悲観することなく、毎日を前向きに生きている。 人見知りの激しい性格だが、心を許した相手には元気一杯、明るく振る舞う。 兄の拓海とは特に仲がよく、「お兄ちゃん」と呼んで今も深く慕っている。 「こ、こちらこそ、お世話になります!あ、あの、よろしくどうぞっ!」 【歯に衣着せぬ先輩】 ●月島 碧 (CV:高藤まりあ) 学園の卒業生。 現在は地元を離れて大学に通っている身だが、春休みを機に帰省。 バイトも兼ねて、実家の喫茶店の手伝いをしている。 在学時から、その奇行で校内に広く名の知られていた彼女ではあるが。 八代らにとってはそれ以上に頼れる先輩であり、よき相談相手。 裏表を巧妙に使い分け、聖人君子でありつつ時に横暴。笑顔の時ほど口が悪い。 三村や麻衣子の兄とは同級生で、親しい仲であったことを伺わせる。 「ご主人さま、お帰りなさいませ〜……って、なんだ君たちか」 【真面目で人望のある優等生】 ●八代 拓海 (CV:田中一郎) 学園に通う二年生。 学内切っての秀才であり、加えて人望も備えた努力型の優等生。 そんな絵に描いたような学生像を、本人は意図して演じてみせている。 性格は物事を広く見渡す俯瞰型で、人当たりがよく几帳面。 人前では明るく社交的に振る舞いつつも、内心では過ぎゆく日々に空しさと不安を捨てきれない。 幼馴染である麻衣子と和泉、その二人との距離の取り方に悩み、もどかしさを感じている。 「おうよ、ばっちり決めてやるさ。任せとけって」 【クールな一匹狼】 ●和泉 宗一 (CV:野☆球) 学園に通う二年生。 群れることを嫌い、その為に普段から一人でいることが多い。 基本的に愛想がなく、クラスの中ではやや浮いた存在。 しかし、周りに迎合しないその生き方は、周囲から一目置かれる要因ともなっている。 中途半端なことが嫌いで、何より自分に対して嘘のつけない性格。 故に不器用で融通の利かないところもあるが、本人にあまり自覚はないらしい。 クラスの中で孤立しがちな都のことを、普段から特に気に掛け、接している。 「べつに……いいだろ、そんなの。俺の勝手だ」 【口達者な流れ者】 ●三村 祐二 (CV:いちごみるく) 地元を離れ、都内で一人暮らしを営む自由人。 冗談を好み口数も多いが、自分自身のことに限ってはあまり多くを語ろうとしない。 過去には学園に在籍していたらしいが、その辺りの経歴も含めて謎は多い。 軽佻浮薄を地で行きながらも、根は真面目で義理堅い性格。 シニカルで投げやりな言動を取ることも多いが、それも自信の無さの裏返しといったところ。 これまでの自分に折り合いをつけようと、乗り込んだ電車の中で偶然鈴と出会う。 「うむ、話せば長くなるが……まぁ、聞いてくれ給え」