赫炎のインガノック -What a beautiful people- Fullvoice ReBORN
スチームパンクシリーズの「赫炎のインガノック」がフルボイス化して再登場!!
旧版で音声のあったキャラクターは勿論、声の付いていなかったキャラクターも全てフルボイスに!
心震わせる、あのシーンが音声付きで蘇ります!!
■ストーリー
異形都市インガノック。
積層型巨大構造体から成る完全環境都市(アーコロジー)であったそこは、
10年前に発生した《復活》ですべてが歪んでしまった。
人も、木々も、機関(エンジン)の排煙による灰色に満ちた大空さえも。
ひとつだけであったはずの太陽は、ふたつになって。
恐るべき幻想生物たちが姿を顕し、都市を豊かたらしめる蒸気機械文明さえもが、歪み、
時に異形と化して人々を襲った。
かろうじて変異を免れたのは、貴族の住まう都市上層のみ。
インガノックのごく僅か。
100万を超すと言われる人口が密集する都市下層は、今日も、地上に存在しえないはずの異形と奇病、
異常なまでに発達した暴力的な機関技術が満ちあふれて。
歪んだ空から発生した無限の霧は、都市を完全に孤立させた。
孤立都市にして、異形都市。インガノック。
巡回医師ギーは、今日も都市を歩く。
弱者絶滅を謳う上層貴族の定めた“死の都市法”を無視し、歩き続け、
下層の人々を診療し続ける。
昨日も、今日も、明日も。
両手からこぼれ落ちていく無数の命を見つめて。
10年前に失ったものが、一体何であるのかを確かめるように、歩き続けた。
──そして、出会う。
──ふたりに。
ひとりは、少女。
インガノックの混沌をまるで知らない、黒の少女。
その名はキーア。
人が忘れた“笑顔”を絶やさぬ娘。
もうひとりは、影。
すべての幻想を失った都市において唯一語られる、“おとぎ話”の登場人物。
すなわち、万色に変化する鋼の人影。
その名は《奇械》。
人ならざる鋼の影。
異形を砕く刃の手。
人に“美しいもの”をもたらす、インガノックただひとつの希望──
■キャラクター
【救いを求め、手を差し伸べる男】
●ギー (CV:古河徹人)
都市下層で巡回医師を生業とする《数式医(クラッキング・ドク)》。
細身の男。
常に憂いを帯びた表情を浮かべている。
元は上層の国立機関大学で学ぶ、年若き医学生であった。
両親を早くに失い、準3級の機関技師として工場で働きながら学費を貯め、
猛勉強の果てに上層の大学へと入学を果たし、1級医師を目指して勉学に励んでいた。
しかし、都市インガノック全層に顕れた《復活》による都市と現実の崩壊により、
それまでに学んだ“設備溢れる医療施設”における“純然たる人間のための”医療技術と知識の
ほとんどは意味と意義を失い、彼は絶望の底に落ちた。
暗黒の日々から10年が過ぎて──彼は新しい知識と力を得た。
すなわち現象数式を操る《数式医》の知識と、己を守る盾となる《奇械》の力である。
もはや人を救うことに意味を持たない《異形都市》と化したインガノックで、
それでも彼は、今日も、誰かへと手を差し伸べ続ける。
例えそれが、明日には死する相手であっても。
《奇械》ポルシオン(初期型)
目立つ特徴は、大きく見開かれた形の右目。
数秘機関を全身に埋め込んだ人間にも似た、全長2.5mほどの人型鋼鉄。
胸部に組み込まれた《門》からさまざまなものを呼び寄せ、力とする。
【人を見つめ、佇み続ける少女】
●キーア (CV:かわしまりの)
ギーのすぐ近くに寄り添い、彼の生きる姿を見つめ続ける少女。
その瞳は《美しきもの》さえ見通す。
出自は不明。
上層の出か下層の出かもわからないが、下層には慣れていない風。
ギーが絶望と共に《異形都市》をさすらった10年の果てに出会い、
巡回医師としての彼と行動を共にすることになる。
ほとんど笑うことがなく、静かな印象だが、表情自体は(印象を裏切って)相当豊か。
《奇械》の力で自分の命を助けたギーに対して、静かに、無償の好意を捧げ続ける。
混沌たる都市下層にあって、誰へも笑顔を向けることができる希有な人間である。
【空を見上げる猫、溜息の女】
●アティ (CV:野月まひる)
明るさに満ちた、蓮っ葉で皮肉屋な娘。
肉体はしなやかで俊敏に、爪は鋭く、精神はたくましく。でも、本当は──
かつては上層に暮らす商家の娘だったが、《復活》から2年後、
幻想の異人種《猫虎》の特徴が《忌罹病》として体に発現してしまい、上層の正当市民権を失う。
かつての名前はアティ・クストスだったが、クストス家は既に存在しない。
頭の上には猫の耳があり、人間とは異なる
黄金瞳(猫に似た黄金色の瞳。人間のものよりもやや大きい)を右目に持つ。
全体的に“黒猫”の身体的特徴を持つ。
生き抜くために、肉体に幾らかの数秘機関を埋め込み、荒事の場に身を置いている。
【人であり続ける、鋼鉄の娘】
●ルアハ (CV:青山ゆかり)
糸を失った主なき“自動人形”と人々から呼ばれる、鋼鉄の娘。
不完全なる機関人間。
1日のうち多くの時間を、彼女は“停止”して過ごす。
まばたきもせず。自我と感情がごくごく薄い。
けれど、内に閉じ籠もり、喪失したものを求める、誰よりも“人間らしい”娘である。
他の人間たちにはほぼ無反応、もしくは機械的な返答を返すのみだが、
キーアとは言葉を交わさずとも意思疎通ができるらしく、
やがて、よく言うことを聞き、大人しくなつくようになる。
【救済を理解し、死を望む男】
●ケルカン (CV:越雪光)
灰色の服に身を包んだ殺し屋。
上層・下層で特1級の危険人物と指定されている。
世界と生の否定と、死の肯定の権化。
死こそがインガノックにおける救いであると嘯き、手にした刃と現象数式で人を殺す。
傷ついた者、病に罹った者──すなわち“弱い者”は死ぬ。
何もかもを奪われる。
それは都市の人々の多くが信じざるを得ない摂理であり、大公爵が定めた都市法でもある。
彼は初め、上層から下層へと降りた処刑執行官であった。
しかし、今や彼の刃は下層民も上層貴族も区別なく、彼自身の判断によってのみ振るわれる。
法を離れ、彼は死そのものと化したのだ。
死ぬはずであった人々と深く関わるギーに対しては、明確な敵意を向ける。
《奇械》クセルクセス
死神的な印象を与える、死をもたらす《奇械》。
全長3mの鋼鉄鎧。
ぽっかりと空いた、髑髏のような眼窩が特徴。
人間に似た姿だが、両腕が長く、腰から下は背骨が伸びた尾のようなものしかない。
普段はどこにも存在していないが、ギーの《奇械》とは異なり、
ケルカンの意思によって自由に呼び出すことが可能。
【《都市》の狂気に嗤う、御遣いの少年】
●レムル・レムル (CV:理多)
原初にして最強の《奇械》所有者。
最も《美しいもの》に近く、そして同時に限りなく遠くに在る少年。
その精神は恐怖と狂気と歓喜と至福に満ちている。
大公爵アステアが3年をかけて建造した都市上層の特1級封鎖建築の最奥に閉じこめられており、
生命活動以外のあらゆる活動を封じられている。
一部の上層貴族からは、彼こそが都市インガノックの《復活》の理由そのものであると噂されている。
【心の闇に潜む、仮面の道化師】
●グリム=グリム (CV:真田雪人)
ギーの“視界”にたびたび現れる、仮面の道化師の幻。
時折、現実の視界や夢の視界の片隅に現れては、ギーに謎かけの言葉を放つ。
意思を持つ残酷な世界そのものの具現たる幻想生物の一種“クラウン”、
その亜種に違いないとギーは判断している。