「中華料理店の邂逅」夜道の待ち伏せ編 〜落とした学生証と、眼鏡っ娘を待ち受ける罠〜
いつもの中華料理店での食事中。
少し離れた席で、眼鏡をかけた女の子が美味しそうにケーキを食べていた。
席を立ち、彼女のもとへ歩み寄る。
ケーキを食べる手を止め、こちらを見上げて
「どうしたんですか?」
と尋ねてくる彼女。
ゆっくりと腰を落とし、足元に落ちていた学生証を拾い上げる。
「これ、落としましたよ」
「あっ、ありがとうございます……!」
学生証を受け取る瞬間、ふわりと彼女の体香が鼻腔をくすぐった気がした。
ケーキを食べ終え、一人アパートへの帰路につく彼女。
だが、背後から誰かの視線を感じて立ち止まる。
振り返ってみるものの、そこには誰も尾行している様子はない。
「気のせい、かな……」
彼女は再び歩き出す。
だが。
学生証に書かれていたアパートの住所。
そこへと続く避けては通れない一本道で、彼女がやってくるのを静かに待ち受けている。