未亡人 沙苗 「私が初めてでいいの……?」
■あらすじ はじめまして俺、犬養司と言います。 寂れた商店街の不動産屋のひとり息子として生まれました。 勉強は並、スポーツも並のどこにでもいる、平凡な学生です。 彼女いない歴更新中で、恥ずかしながらまだ未経験。 でも、女の人に免疫がないかってゆーと、ちょっと違ってて年上の女性には、結構ウケがいいつもり。 母さんが、婦人会の会長を務めていることもあり、やたら行事の手伝いをさせられるんだけど、 そこでは、皆からかなり可愛がられている方だと思ってる。 そりゃ、叱られてたり、からかわれたりと年齢相応?にイジられる事もあるけど、 それを補って余りある特典がそこにはある。 なぜなら、憧れの女性(ヒト)がそこにいるから。 ひょんな事から、彼女の包容力や隠した寂しさを知ってしまい……。 その日からというもの、頭から彼女が離れない。 そんな年上の女性に恋してしまった男の話です。 ■登場人物 【定食屋の未亡人】 ●北条 沙苗 (CV:七ヶ瀬輪) 西熟橋商店街内にある北条食堂を亡き夫に代わり一人で切り盛りしている寡婦。   清楚なたたずまいと思いやりに溢れた性格の女性で商店街のおじさん達の憧れのマドンナ。 夫が亡くなった際に色々と手を貸してくれた由季に大きな恩義を感じている。 婦人会にも積極的に参加し、その関係で司のことも恩人の大切な息子さんで、 かつ近所の親しい男の子としても大切にしてくれている。 数年前に亡くなった夫のことを今も一途に思い続けているため、 ご近所から持ち込まれるたくさんの再婚話を全て断っている。 しかし、包容力に溢れ、愛する男性を癒してあげることに無上の喜びを感じていた沙苗にとって、 一人っきりの生活はあまりに孤独で、愛する人との触れ合いに飢えている。 「久しぶりだから上手くできるか分からないけれど、全部私に任せて、……ね?」 【不動産屋を営む母】 ●犬養 由季 (CV:風華) 司の母親。夫と別れてからは苦労しながらも家業の不動産店の経営と子供の養育を両立させた賢母。 穏やかで冷静な性格で商店街の人々からの信望も厚い。 息子を立派に育てたという自負と同時に幼い頃は寂しい思いをさせたという負い目も感じている。 現在は息子である司に対しても適度な距離から暖かく見守っているが 心の底では子供が成長し自立していくことへの喪失感や漠然とした不安を抱えている。 男性に関しては前夫との離婚で懲りており再婚の意思は無い。 しかし、成熟した女性として時に身体の疼きを覚えることもある。 「母親を困らせて悪い子ね……。でも、お願い、お願いだから      どこにも行かないでね?ずっとお母さんのそばにいて頂戴」 【酒屋の看板娘】 ●尾形 忍 (CV:紫苑みやび) 西熟橋商店街にある『リカーショップおがた』の看板娘。 ちゃきちゃきした性格ではっきりしない男が大嫌い。 都会の学園を出てそのまま就職していたが一年前に実家を手伝う為に故郷へと戻ってきた。 高齢化が進む商店街の住人の中で司の次に若い。 司を子供の頃から自分の家来のように扱っている。 司に対しては常に辛口だが子供の頃からのことなので悪気はなく、司も本人も特に気にしていない。 司を鍛える為と称して『リカーショップおがた』でアルバイトさせている。 黙っていれば美人でスタイルも抜群なので都会にいるときはとにかく男にモテたらしい。 しかし、司にとってはすぐキレる近所のお姉さんでしかない。 自分の魅力が分からない司を事有るごとに童貞小僧呼ばわりしてからかっている。 「まあ、あんたみたいな冴えない童貞、男にしてあげるんだから、忍おねーさまに感謝するのよ、わかった?」 【呑み屋の美人女将】 ●大迫 耀子 (CV:木梨樹里) 西熟橋商店街のはずれにある小料理屋『明烏』のママ。 底抜けに明るくかつ情熱的な性格であり、極めて惚れっぽい。 商店街のおじさん達の夜のマドンナ。 由季とは子供の頃からの幼馴染な為、本来は興味の無い婦人会の集まりにも遊び半分で参加している。 司のことは生まれた頃から知っている。 そのため、完全に子ども扱いしている。 心を許した男性を身も心も自分のものにすることに生きがいを感じている。 男女の営みに関しては受け攻めどちらも抜群の技術を持っている。 「いいわよ、今からあんたにオンナの身体を教えてあげる。でも分かってるわね、絶対にお母さんには内緒よ」