この世界には、二種類の人間が存在する。

ひとつは、ヒト。
ひとつは、亜人。

亜人とは、外見はヒトとは変わらないが、身体的な能力や、性質が、ヒトとは異なる存在。

古くには、悪魔や、妖と呼ばれていた異質な存在である彼らは、現在、『亜人』として、それぞれの国の政府によって管理されていた。

これは、そんなヒトと亜人が、共生する現代の物語。





俺と彼女が出会ったのは、半年前。

隣町の不良に絡まれている時、手助けをしてくれたのが彼女だった。

その時、彼女が亜人、その中でも、ヒトの血液を摂取する、吸血種でであることを知った。

助けてもらった恩もあり、彼女に血液を提供するようになり、気が付けば、それだけじゃない仲となっていた。


あまり口には出さないが、俺は彼女のことが大切だし、何よりも大事にしたいと思っている。
それは、彼女も同じだと思っている。

けれど最近、どことなく、彼女の様子がおかしい。

聞きたいけれど、うまく聞けない。

そんな、悶々とした日々を送っていた…。



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※女性優位の作品です。
苦手な方はご注意ください。